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アナログプリントとデジタルプリントの画質の違い


アナログプリントとデジタルプリントの画質の違い

20世紀後半にミニラボをやっているところはアナログのままやるのかデジタルに移行するのかの判断にせまられました。
メーカーの発表している画像データは当時フィルムが優っていました。
また写真業界はその時点でアナログのプロセッサーは21世紀には製造しないと発表していました。アナログで孤立して継続するか、デジタルに宗旨変えしてデジタルミニラボに舵を切るかという選択です。当時も今もL判150万画素で2L判300万画素系は変わらず行くという業界の基準に違和感を覚え、現在QSS23型実働機国内唯一になりました。
2000年頃のデジタルは輪郭補正や肌色補正コントラストの強化、細線はジャギーが出っぱなしの状態でした。
そして16年が経ち国内フィルムメーカーは噂ではデジタルはアナログを越えたと言っていると人づてに聞き、ではどのようにアナログを技術的に越えたのか検証してみました。
日本のいや世界の二大プリンタメーカーの様々なプリンタで試してみました。
アナログプリントはノーリツQSS23型です。
デジタルは他店で現像して焼き増したL判はQSS29型、6PWはQSS37型はメーカーのフラグシップモデル機です。4PWのSLと電車はフロンティア350型になります。ISO感度100と1600のデジタルプリントは20世紀後半フィルムを焼くならデジタルならMLVAの29型と評判のよかったプリンタです。
デジタルはレーザー露光のタイプ2タイプとMLVA機400dpiのインターフェースのプリンタで種類を変えてプリントしてみました。
光線は粒子であり、フィルムで記録するという事は光線の粒子であり、フィルムで記録するという事は光線の粒子を乳剤を受け止めてケミカル処理で現像するというプロセスになります。歴史もあり理にかなった方法であると私は考えています。
フィルムはISO100〜1600まで現在流通しております。B&Wも販売されています。
残りすくないと言われながら16年が経ちフィルムの面白さをこの検証で再確認ができました。撮影者の印象と記憶した色の再現にこれからも精進してまいります。

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デジタルプリントの色の鮮明さ

ISO100で夕方にミノルタのコンパクトカメラで撮ったものですが、牧草はあくまで緑色で牛の親子もくっきり鮮明に見え、木立の緑も鮮やかですが、どれを見ても撮影者は不自然で、アナログの方は牛が食べた牧草の雰囲気はこれです。という印象を語ってくれました。

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夕方の繊細な情景が生々と

デジタルでは暗部がつぶれハイライトははねて飛んでいます。水面のハイライトはとんでいて暗部がつぶれています。それに対しアナログでは遠景の舟やクレーン船また木立が力強く生々と写し出されています。

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デジタルの表現はカタくアナログでは柔軟な表現

撮影者の乗っているボートの色が鮮明ですがデジタルプリントではつぶれかかっています。右舷の数隻の船のディティールはデジタルではつぶれていて不鮮明ですがアナログプリントでは確認できます。ネガカラーの段調の豊かさを感じます。

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レンズの撮影条件が悪い時の比較

大胆に太陽を受けフレアやゴーストもみられます。
デジタルプリントではゴーストフレアや周辺で明るくなり過ぎて鮮明さを欠いていますがアナログではISO100でコントラストもあり影の表現も鮮明で決して上等と言えないカメラであっても賢明に再現しています。

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色の再現と飽和

今回のデジタルプリンタではQSS29型37型でプリントしたものですが29型は色の飽和がよく出るようです。それに対し新型である37型はそれほど目立たなくなってきていますが特定の色では飽和しているのが見受けられます。

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プリンタのアプリのせい?

20世紀後半に行ったハンドボールの同じシーンを当時の一眼デジカメと一眼レフで撮ったモノを4PWでプリントして愕然としました。
銀塩写真を続けようというきっかけになった出来事です。ハンドボールはシュートの度に倒れるので、NikonのF4の方はユニフォームは汚れてそのまま青いユニフォームは泥だらけに写っていましたが、一眼デジカメで撮った方のユニフォームはその汚れが薄まり綺麗なユニフォームにプリントされていました。17年以上が経ち淡いブルーの白い文字の入った汚れたTシャツが、アナログでは再現されておりますがデジタルのQSS37型のプリントでは、Tシャツの汚れが薄まっています。アプリ・ファームのなせる技なのでしょうが、アプリは数年に一度更新される頂ですが、ベテランの技術者は、旧アプリでプリント保存しておいたものと、更新したアプリと比較すると、鮮鋭度とシャープネスは増すばかりで勢いは止まる様子はない。と教えてくれました。何故ですか?と質問した所、ユーザーの指向性が鮮明さとシャープネスを求めてくる。接客してそれを感じるし、毎日デジタルのTVの映像を日々見せつけられた結果ではないか?という感想でした。そこには肉眼と印象色はどこに行ってしまったのか?と思うばかりです。

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フィルムのもっているコントラストがデジカメ写真のようになる?

36枚撮りISO100のフィルムを他店で現像とQSS29型の同時プリントをしたアルバムをもってこられ、アナログプリントで焼いてみたいと焼増しにこられた写真部の学生さんの撮影したネガを許可を得てQSS37型で6PWのプリント比較しています。ネガで折角撮ってもデジカメで撮影した様な仕上りになるというのが、端的な説明なのかもしれません。パラソルの下の人物の再現性・シャドウ部を撮影者に確認してもらいましたが、アナログで焼いて良かったと言う感想を頂きました。個人的感想ですが最近のフィルムのコントラストが上がっている印象です。今後どうなるのか?少し心配です。

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存在しているモノも無きモノに?

ベトナムの物売りの女性を撮影したカットですが、QSS29型でもQSS37型でも同様の特徴が出ています。上着の虫食いを継当ているのですが右側の袖口の所がデジカメプリントでは消されています。上着のハイライト部に色の飽和が見てとれます。
帽子の女性を標準レンズの距離感で撮影しているので、表情が少し緊張気味なのですが、デジカメプリントでは、少しロボットのように硬い表情に見えますが、アナログプリントでは柔らかに表現されています。3枚の重ね着の色調もアナログプリントが近いと撮影者は言っています。富士フイルムのフロンティア350型に関しても言えるのですが、一般的に緑色の彩度が高くなり、不自然な緑色に感じます。そこも又デジカメのように感じる所以かもしれません。

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ISO100フィルムにおけるデジカメプリントとアナログプリントの比較

デジカメプリントは巷でフィルムのプリントに定評があると評判のQSS29型で花を持った姉妹のプリントをしてもらいました。16年前の巷の評判であって実際は比較したのは今回が初めてです。フィルムの粒子を考えると6PWや4PWやA3のアナログプリントで比較する事は冒険です。そら見た事か?と言われかねません。20世紀後半のデジカメのレベルと16年後の現在とでは比較にならないでしょう。フィルムメーカーはアナログを越えていると一押ししている。色の事はさておき妹の瞳の二重まぶた細い植物の枝の再現性のどれをとってもアナログプリントが優っています。QSS29型では赤い花の色の飽和が有りますが、アナログプリントでは赤いバラの花びらが再現されております。
フィルム感度100は感度が低く微粒子という特徴が有ります。シャドウ部では後の1600と比較しても粒状性は細やかです。アナログプリントでは、フィルムの特性を存分に再現されています。

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ISO1600フィルムのデジタルプリントとアナログプリントの比較

このフィルムは『写ルンです』でも使われていて、フィルムメーカーが推奨する専用のカメラまで発売された事があります。今回も色はさておきシャドウ部の粒状性はアナログでは再現されていますが、デジタルプリントではぶつぶつとした感じは有りません。姉の細く長い指に掛かる髪の毛の再現爪の再現においてアナログプリントの優位性が見られます。NP1600でも妹の二重まぶたはデジタルプリントと比較して明らかにシャープさにおいてもアナログプリントは格段上に見えます。ただ花の色の派手さだけを見ますと、蘭の花の色のピンクや赤の色だけ遠目で見たら、一瞬きれいに見えるかも知れませんが、赤いバラや黄色の花はデジタルプリントでは色の飽和があり細部の花びらのひだの再現ができていません。しかしアナログプリントでは再現しています。只一部の白において、画像下の白いバラの花のハイライトがデジ・アナ共通で白とびが見られます。日中光で撮影している為NP1600では時として起きる現象です。
NP1600は特殊なフィルムでアナログのプリントの技術者にとりましては、露出オーバーのISO1600フィルムは悩みの種で、モニター上では真っ黒に見えてしまい何が写っているはさえ分らなくなります。ラチュードは広いというのは時としてこのようなイタズラをします。
DXコードがあるフィルムは、殆どモニターで色の再現で確認出来ますが、DXコードがない120フィルムや16mmや豆カメラは35mmの数倍の時間が掛かる経験値と勘がたよりの世界になります。

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SLの黒の締まりは現在のデジカメプリントではどのように再現されるのか?

各メーカーのプリンターでプリントしなければ偏ってしまいますのでフロンティア350型でSLを撮影者の許可を得てプリントしました。撮影者は写真部の学生さんです。フィルムメーカーですからフィルムの特性を熟知していますので、色の飽和とかは見受けられませんが、第一印象は、フィルムで撮ったのにデジカメプリントのようになると言う事です。
撮影者が指摘していますが、デジタルプリントでは緑色が特に両方のメーカーとも派手過ぎる。SLの煙の色がリアリティがなく緑色が出てしまっている。客車の茶色がかったいろが変質している。架線の表現が線事態が太くなって不自然になっている。オキピンで撮影しているので、反対側の線路のピントが合っている所からボケの再現がデジタルぽくなってしまっている。丸窓の機関士の再現がデジタル化されて顔がらしくない。車両から顔を出している人達のピントが合っている人からアウトフォーカスしてゆく車両や人のボケの表現に違和感が有る。富士フイルムはメーカーでアルゴリズムを熟知して全体のまとまりは、デジカメプリントとしては、特徴を捉えているし色の飽和というようなヘマはしていません。レーザープリントでフィルムをデジタルにスキャンをしてそのデータをデジタル露光しているから、逃れられないのでしょうがSL正面の黒の細部がダイヤ形のレーザ―のジャギーの様な縞が見受けられます。
撮影者が印象色としてこれからもフィルムで撮ったらアナログプリントでプリントしたい。と言ってくれました嬉しい事です。

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日光で撮影した赤い電車の再現性は?

これがデジカメで撮影したモノであれば文句なしのデジカメプリントなのでしょう。しかし撮影者はフィルムで撮ったのだから、フィルムっぽく仕上げてもらった方が良い。と私に言っていましたが、車両の赤い色の飽和等起こしておらず、全体的には色の管理はよくコントロールされていますが、赤の車両の色が派手過ぎる。日光の杉の色はこんなに鮮やかではない。架線の横の支柱の色の表現が派手過ぎる。
と言う印象です。今回ネガプリントでデジ焼きとアナログプリントを比較しましたが、自称フィルム好きのタレントさんやデジ焼きのプリントショップしか知らないフィルムユーザーは、デジ焼きとアナログプリントを比較することなどないでしょうから、若い方々でアナログプリントを知らない人に少しでも参考になれば幸です。

まとめ

現の最高責任者である古森重隆さんが、写真店を対象に平成18年2月に発表された文字だけのポスターが店に今でも黄ばんでいますが、貼ってあります。アナログプリントで国内に残っているミニラボは5軒〜10軒とも言われていますが、全体を把握している人は私も知りません。アナログで全国に残っているプリンターも様々でQSSではウチの23型で最大A3・19型で最大4切りで2011年までウチでも使っていました。26型は最大6切り、AGFAのMSC101は他メーカーで詳細は不明ですが、最大6切りまでです。
ほぼ5,000店が全国に写真店が5,000店が有ると言われ、5〜10/5,000でありいつ全滅してもおかしくない状態です。それは何度も修理をしている画像をウチのサイトでTwitterなどでUPしていますのでご覧になって下さい。特に共通部品であるPMドライバーとステッピングモーターの組み合わせでプリンターは動いています。コントロールするPMドライバーが曲者で時間と共にトラブルが起きます。何れ無くなります。それを覚悟して経営しているでしょうし、それぞれ苦労も多く、体をはって日々のプリントをしていると思います。
アナログプリントの価値を知ってミニラボを継続しているのだと思います。お客様に喜ばれ感謝されるので続けている経営者もいることでしょう。今回フィルムからのデジタルプリントとアナログプリントの比較をしてみました。改めてアナログプリントの面白さを体感して頂けたら幸いです。またフィルムの製造を継続しているメーカーである富士フイルムの写真事業への取り組みを添付させて頂きます。
アナログプリントの全ての関連メーカーをフィルムユーザーは、応援して頂きたいとおもいます。

富士フイルムの写真事業への取組みについて

富士フイルムは1934年の写真創業以来、感光材料を中心とした事業を開始し、一般コンシュマーの皆様をはじめ、販売店様。写真卸業様様でした、様々な方々のご支援とご愛顧を受けて今日まで写真事業を展開してまいりました。しかしながらここ数年の予想を上回る急速なデジタル化の進展により、フィルムを中心とした感光材料の需要が大幅に減少し、富士フイルムをはじめ写真業界全体が厳しい市場環境に置かれていているのは事実です。私たちは、このような市場の変化に対し、1月31日に発表させていただいたとおり、大幅な構造改革を推進いたしますが、それは写真事業継続を継続するためであります。

人間の喜びも悲しみも愛も感動も全てを表現する写真は、人間とっては無くてはならないものであり、長年のお客様のご愛顧にお応えするためにも、写真文化を守り育てることが弊社の使命であると考えております。その中でも銀塩写真は、その優れた表現力・長期保存性・低廉な価格・取り扱いの手軽さと現像プリントインフラが整備されている点等でデジタルに勝る優位さもあり、写真の原点ともいえるものです。

私たちはそのような銀塩写真を中心とした感材写真事業を継続し、更なる写真文化の発展を目指すとともに、写真をご愛顧いただけるお客様、ご販売店様の支援を今後も続けてまいりますので、引き続き変わらぬご支援をよろしくお願い申し上げます。